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ピアノ教室への想い

冒頭のご挨拶でも書きましたが、私の教室は子育て中のお母さんにレッスンしたのがきっかけで始まりました。

赤ちゃんをおんぶしたままのピアノ・レッスン。最初は驚きました。でもやってみると、生活の中に音楽が入り込んでいる感じがとても自然で良い雰囲気なのです。
お母さんが音楽をやるって、すごく素敵なんだなと思いました。

それで、母子で通えるピアノ教室を始めることにしました。


ドイツで子ども時代を過ごされた方から聞いた話ですが、親戚の家に遊びに行くと、夕方ドイツ人のお父さんが帰って来ます。
いつもすごく恐い顔で帰ってくるので、誰も話しかけません。
お父さんは、そのまま奥の部屋へ行くと鍵を閉めてしまいます。

そして15分間、ピアノを弾くんだそうです。
出てきた時には、もう普通の父親の顔。
それを毎日繰り返していたんだそうです。

ピアノという楽器は、とても美しい音が出ます。
弾きながらそれを聞いて、自分も癒やされる。
気持ちをリセットして、また日常に戻る。
そんな気取らない楽器との付き合い方が丁度良い感じがします。


最近、とても嬉しかった報告がありました。

モーツァルトの〈きらきらぼし変奏曲〉を練習していた生徒さんが第2子を妊娠されたんです。
「モーツァルトは胎教に良いので、弾いてあげてくださいね」とメールしましたら、返信が来ました。
一人目の時にはCDでモーツァルトを聴かせて胎教していたけれども、
今回、まさか自分で弾いてあげられるとは思ってもいなかった。感謝ですという内容でした。


どんなに短時間でも、音楽は愛や幸福に触れられる良いものです。
楽しい輪が広がってくれたらいいな、と思います。

たぐち ゆみこ

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