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じぶんで考える

 養老孟司さんは確か北鎌倉にお住まいで、自主保育団体のイベントでも

良いお話をして下さったそうです。コロナ禍に関するポストが話題になっていました。

”実際、教え子の大学生を見ていても、過剰なサービスや過干渉な親に慣れているせいか、自分で考えて動ける力を持っている人は少ない。

「考える」とは成熟することです。自分で考えられない大人を、成熟したとはいいません。考える力を磨く簡単な方法は、外に出ることです。(文中より)”

 なるほど耳が痛い。先日、小学校の先生をしている知人から聞いたのですが(Zoomですよ)、いまの子供達の6割が将来、現在は存在していない仕事に就いているという予測があるそうです。新しい指導要領も、そうした事を念頭に置いて改訂されているとか。

 それが本当なら何を教えれば良いのか誰にも分からないということになりますが、何をしてはいけないのかは私にも予想がつきます。頭の固い子にしないことです。親達の経験が役に立たないのですから、自分で考えられるようにしてあげないと。

 うちの娘はお絵描き工作が大好きでよくイベントに行くのですが、美術関係の方々の声掛けはその点、素晴らしいですね。上手く行かないで放り出しそうになると「これ(見本の作品)は一つのやり方。他のやり方でやってみるのも、とても良いんだよ」と言って続けるように促し、絵の具を瓶ごとまき散らして遊び始めると「行け行けー!!」と背後で煽る(写真の絵)。母の固定観念も一緒に崩して下さいます(笑)

 色々なやり方があるもの、色々な解釈の出来るもの、そうしたものを与えて試行錯誤させることなんだろうなと思います。「失敗はない。あるのは素敵な偶然だけ」と言った絵描きさんがいましたが、何でも良い方に向けてしまう逞しさ、柔軟さがあれば道を切り開いて行けるはず。

 生徒さんがピアノのレッスンを通じて少しでもそうした資質を磨いていけるよう、声かけも工夫していかなければいけないなと思います。自分なりのイメージを持って、自分で練習の仕方を考え、自分で必要な知識を補完していけるように。そこまで持って行くには時間がかかりますが、うちの生徒さんは、あれ、何だか大丈夫そう。最近は親御さんも柔軟な方が多いせいか、伸び伸びした子が多いですね。みんな「これやっていいですか?」って聞いて来ない。「これやりたいんですけど」と言ってくる。そんなに心配しなくても、未来は案外明るいのかも知れません。

 さて、教室のレッスンも来週から通常に戻ります。生徒さん達の元気な姿、また見られるのを楽しみにしています(^^)

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