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下手なピアノを、堂々と。

うまくならなくてもいい教室を始めて6年たちました。


うちの教室は、大人は子育て、子どもも学童などで忙しく、練習する時間が取れない生徒さんが多いです。それで、私がよく言うのが「下手なピアノを堂々と、楽しく弾く!」。


発表会などで一生懸命練習した成果を披露するのは王道ですが、そこまでする時間がない人も、人前で弾く意味は十分あるのですよ。上手になるまで人前で弾いちゃいけないなんて、誰が決めたんでしょう? 待っていたら永久に弾けないかもしれません。そんなの、つまらないですよ。


例えは少し変ですが、カラオケで最初に歌う人がプロ並みに上手だと、ほかの人が歌いづらいですね。それだとみんなが楽しめないでしょう?


私は、何を弾いているか分かる程度に練習していれば、どんどん人前で弾いていいと思います。


「下手だから弾かない」ではなく「堂々と楽しそうに、下手な演奏を披露する」のです!


そうすると「あれなら私にもできそう」と思って次に続いてくれる人が現れます。そうしたら「上手だね」と言って、お互いの勇気を褒め称えましょう。次に弾く人も、案外「笑われないかしら」と不安だったりするので、褒められるとうれしいものです。


楽しくやっていれば、次第に人の輪が出来てきます。そういうリーダーシップの取れる生徒さんをたくさん育てたいと、常々思っています。


自分だけすごくても、みんなが遠慮してしまって弾かなければ、退屈な独演会で終わってしまいますよね。


長く一緒に楽しめるお友達を見つけるためには、あえて知らない曲を弾いて途中で止まるぐらいのことをやって見せてもいいぐらいだと思っています。


もちろん、競い合う楽しさも否定はしません。


ですが、うちは80歳になっても楽器を楽しんでもらうことが教室のゴールですので、そんな考えです。


あんまり言うと怒られますから、もうこのくらいで。

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